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はんだ接合強度1
リード引っ張り試験方法
リード引っ張り試験方法
はんだ接合強度の測定
測定方法は図に示したとおり、リード部にフックをかけ荷重計にて引っ張り強度を測定いたしました。
接合強度の測定結果及び破壊モードについて次に示しています。
はんだ接合強度2
リード引っ張り強度試験結果
リード引っ張り強度試験結果
リード引っ張り強度試験結果
引っ張り強度の結果は、全てのサンプルにおいて温度サイクル試験後に強度が低下する傾向がわかりました。
特にアロイH:Su(錫)/Bi(銀)/Ag(銅)使用時に著しく劣化しています。
このときの破断モードはアロイT:Su(錫)/Bi(銀)/Ag(銅) アロイA:Su(錫)/In(インジューム)ではすべてCモード(基板ランド〜はんだフィレット間剥離)であり、先に述べたクリームはんだ中のBi(ビスマス)の偏析がランドとの接合部に集中している事が予想されますが未確認であります。
Bi(ビスマス)はリトオフの問題も多く指摘されておりますので実装信頼性上の問題が懸念されます。
はんだ接合強度3
使用Pbフリークリームはんだ Alloy-H Alloy-T Alloy-A
リフローピーク温度 220℃ 230℃ 240℃ 220℃ 230℃ 240℃ 220℃ 230℃ 240℃
Pdメッキ品 初 期 B B ABC AB AB AB AB ABC
Sn/Pdメッキ品 初 期 B BC BC BC C C AC AB AB
温度サイクル後 C C C B B B B B B
表3-1-3 リード引っ張り試験破断モード
破断モード
破断モード
リード引っ張り強度試験破壊モード
リード表面処理のPd(パラジューム)メッキ処理品とSu(錫)/Pb(鉛)メッキ処理品を比べた場合、アロイH:Su(錫)/Bi(銀)/Ag(銅) アロイA:Su(錫)/In(インジューム)ではSu(錫)/Pb(鉛)メッキの方が強度が高いのに対し、アロイT:Su(錫)/Bi(銀)/Ag(銅)では逆にPd(パラジューム)メッキの方が強くなっている。(初期サンプル比較)このときアロイTの破断モードはPd(パラジューム)メッキではAモード(リード破断)又はBモードであるのに対しSu(錫)/Pb(鉛)メッキではほとんどCモードである。(温度サイクル試験後は全てBモードになる)
特にSu(錫)/Pb(鉛)メッキに対しては、 アロイA:Su(錫)/In(インジューム)を使うと強度が高くなるが、一般にアロイA:Su(錫)/In(インジューム)中のIn(インジューム)とPb(鉛)はなじみが良いといわれています。
以上のように、接合強度と破壊モードにそれぞれ大きな特徴が見られるが、本実験範囲内では、その詳細なメカニズムまでは究明できていません。
部品ダメージの外観
リフローピーク温度
(QFPリード部目標)
使用クリームはんだ
Alloy-H Alloy-T Alloy-A
220℃ 変化なし 変化なし 変化なし
230℃ 変化なし 変化なし 変化なし
240℃ 上面ふくれ発生 上面ふくれ発生 上面ふくれ発生
表3-1-4 リフロー熱によるアルミ電解コンデンサーの外観変化
220℃ 230℃ 240℃
220℃ 230℃ 240℃
部品ダメージの観察
リフローによる加熱による部品へのダメージが顕著であったアルミ電解コンデンサーの外観観察をそれぞれの部品の状態を写真で示しています。
このように、リフロー温度の上昇は搭載部品に大きな影響を与える事がわかります。
QFP(240ピン)SOP(44ピン)については、実験範囲内では外観の変化(パッケージのふくれやクラック)は見られませんでしたが、内部解析までは行っておりません。
CSPの内部解析結果については後に纏めています。
DSCによる融点測定
測定器
測定方法
:DSC200(セイコーインスツルメンツ製)
:リードを切断し、50〜350℃(大気中)まで10℃/minで昇温し、融点測定実施。
結果を、下に示す。
200℃以下のピーク 固相温度 ピーク温度 液相温度
Pbはんだメッキサンプル 181℃にピークあり 209℃ 218℃ 221℃
Pdメッキサンプル ピークなし 219℃ 221℃ 223℃
表3-1-5 DSCによる融点測定結果(Alloy-T使用による)
DSCによる融点測定
端子表面処理の違いによるはんだ溶融性の差を確認するため、DSC(示差熱分析)により、QFP(240ピン)のSu(錫)/Pb(鉛)メッキ処理品及びPd(パラジューム)メッキ処理品のアロイT:Su(錫)/Bi(銀)/Ag(銅)によるリフローはんだ付け後のリード部融点測定を行いました。
測定器 :DSC200(セイコーインツルメンツ製)
測定方法:リードを切断して、50〜350℃(大気中)まで10℃/minで上昇させ融点測定を実施いたしました。
この測定結果により、Su(錫)/Pb(鉛)メッキサンプルでは、Pd(パラジューム)メッキサンプルに比べて固相温度が10℃低い値を示しており、表面処理の違いにより融点に差が生じる事が確認できました。
実験において使用したアロイT:Su(錫)/Bi(銀)/Ag(銅)は融点が約221℃であり、220℃で溶融が確認できたのは固相温度が下がった為であり、Su(錫)/Pb(鉛)メッキ処理品のPb(鉛)の影響と考えられます。
CSP180pin導通チェック
デイジーチェンを利用して温度サイクル試験前後の導通チェックを行った結果を下に示す。
サンプル(組成A) サンプル(組成B) サンプル(組成C)
初 期 0/6個 0/6個 0/6個
温度サイクル後 0/6個 0/6個 0/6個
(温度サイクル試験条件:-40℃/30min〜125℃/30min×300サイクル)
表3-2-1 導通チェックによるオープン発生状況
この結果より、温度サイクル後もオープンは発生しておらず、良好な接合状態と考えられる。
(評価6-2)はんだボール接合状態観察結果
各テストサンプル(初期)のはんだボール接合状態を以下に示す。
組成A 組成B 組成C
(組成A)Sn/3.5Ag/0.5Cu (組成B)Sn/2.0Ag-0.5Cu-2Bi (組成C)63Sn-Pb-2Ag
写真3-2-1 Pbフリーはんだボール接合状態
テスト結果は、温度サイクル後もオープンは発生しておらず、良好な接続状況でありました。
CSP部分のピーク温度は250℃程度と推測されるため、全てのサンプルが問題なく接合している事が確認されました。
内部ダメージ解析
(評価6-4)内部ダメージ解析結果
本テストにより、CSPボディーに外観的には膨れやクラック等などのダメージは見られなかった為、SAT(超音波探傷断層観察装置)にて内部剥離解析を行ったので、その結果を下に示す。
なお、本CSPサンプルは、前処理として30℃/70%RH×168hの恒温高湿槽投入による吸湿処理を行っている。観察の結果、本リフロー条件では、パッケージ内部にも剥離などのダメージは見られない。
リフロー前のSAT像 リフロー後のSAT像
リフロー前のSAT像 リフロー後のSAT像
表3-2-2 CSP内部剥離観察(はんだボール(組成C)使用サンプル)
【まとめ】
以上の結果より、本リフロー条件での今回検討サンプルとしたPbリフローCSPの実装においては、実装性および部品の信頼性ともに良好な状態と言える。
基板曲げ試験
基板曲げ試験方法
図3-2-1 基板曲げ試験方法
本試験結果を、下に示す。
基板曲げ試験結果
図に示した試験方法で基板を曲げていき、導通チェックによりオープンした時の基板曲げ荷重を測定しています。
グラフは試験結果を示していますが、(組成C)63Sn-Pb-2Agに比べ、鉛フリーはんだボール(組成A)Sn-3.5Ag-0.75Cu及び(組成B)Sn-2.0Ag-0.5Cu-2Biとも同等の強度であり、テスト結果においては特に実装強度の低下は見られませんでした。
CSP実装においては、このたびのリフロー条件で検討サンプルとした鉛フリーCSPの実装において、実装性及び部品の信頼性ともに良好な状態が確認されました。
まとめ
長期にわたり各位のご協力に心から感謝の意を伝えると共にこの資料が多くの人に鉛フリーの指針となってお役立つ事を期待します。
1 「鉛フリークリームはんだ」使用時のリフローピーク温度は、最低でも230℃以上必要であり、240℃まで上げると、問題なく良好な実装が可能であると判断れました。
2 このテストで使用した「クリームはんだ」では、長期実装信頼性面では
 アロイT:Sn(錫)/Ag(銀)/Cu(銅)系:Sn/3.5Ag/0.5Cu 溶融温度 約221℃及び
 アロイA:Sn(錫)/Ag(銀)/In(インジウム)/Bi(ビスマス)系:Sn/3.5Ag/3In/0.5Bi
 溶融温度 約214℃に比べ
 アロイH:Sn(錫)/Bi(ビスマス)/Ag(銀)/Cu (銅)系:Sn/7.5Bi/2Ag0.5Cu
 溶融温度 約183〜212℃
は大きく劣るため推薦できないと判断いたしました。

また、アロイAは実装強度において優れているが希少元素であるIn(インジウム)を含有し、Bi(ビスマス)の影響も懸念されるため、一般的な使用には適さないと判断され、アロイTの使用による鉛フリー実装技術の確立が最良と考えられます。
3 端子表面処理や基板のランド設計がはんだ溶融や実装強度に及ぼす影響が大きいため、2の見解は一般的なものであり、総合的な技術評価による条件設定や設計が必要である。
特に端子表面処理は、実験に用いたPd(パラジウム)メッキは鉛フリー化施策としてすでに一般的となっているが、現在部品メーカーでは、Sn(錫)系の鉛フリーはんだメッキ(Sn(錫)-Ag(銀)、Sn(錫)- Bi(ビスマス)、Sn(錫)- Cu(銅)等の開発が進められており今後広く量産されると思われます。
このSn(錫)系 鉛フリーはんだメッキは使用クリームはんだの依存性が大きいといわれており、最終的には個々の条件や設計の見極めが必要である。
3 このたびの実験では、基板上の温度バラツキを問題視したが(実験基板ではQFPリード部とCSP下面との温度差)は少ない事が望まれるが、加熱の安定性や熱ストレスを減少させるためには、ある程度の温度差があっても安全率の高い事が望まれます。
リフロー部の温度が20℃〜25℃高くする必要があるため、温度差をできるだけ抑える実装条件が要求されるので、リフロー装置のストレスの少ない加熱と搭載部品の耐熱信頼性が不可欠であります。
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